登山を断念するときの判断材料があいまいな方、わからない方へ

今回は登りたい山にせっかく行ったのに、登れなかった時のことを記事にします。

登山では時には撤退や登山中のあきらめも必要です。

その時にせっかく来たから行っとかないとと、行きたい気持ちにかられることがあります。

また、山でここから先行くか行かないか、どうしようと迷うこともあるでしょう。

登山中の決断は結構大事です。それは命に繋がるからです。

優柔不断でどうしようか迷って決断できないという方もいると思います。             そういった方の決断時の参考になればと思っています。


今年7月に北アルプスに行きました。

宮崎空港から羽田空港に飛行機で飛び、そこからレンタカーで長野県まで約3,4時間の旅です。

移動時間は片道約6時間ほどかかりました。

当時は4泊5日で北アルプスの乗鞍岳(のりくらだけ)、燕岳(つばくろだけ)、        上高地(かみこうち)へ行くプランでした。

1日目はほぼ移動で終了し、2日目乗鞍岳へ行きました。

僕の中では初の3000m級の山、7月という初夏でも3000m級の山は雪が残っていて寒いです。防寒対策を入念にし、いざ登山開始。

乗鞍岳は畳平バスターミナルという日本一標高の高いバスターミナルが登山口になっています。

そこが標高2700mで気温が10℃でした。7月という初夏で気温10℃で雪も残っています。

宮崎の南国育ちの僕からしたらそこは別世界に来たような感覚です。

もちろん標高2000m以上に立つのも人生初めてでした。

乗鞍岳は無事登頂できましたが、登山途中から頭痛が始まります。

おそらく、標高が高いことによる酸素不足で酸欠になっていたと思います。俗にいう      高山病(高山障害)です。

僕の中では大丈夫だろうという正常バイアスがかかっていたのと、今までの登山中に高山病を  経験したことがないというので、高山病は大丈夫でしょ。という軽い気持ちでした。

登りは、初の3000m級に興奮している+登山中ということもあって、アドレナリンがダバダバです。

仮に酸欠であったとしても、頭痛なんて感じません。そんなこんなで余裕で頂上まで行きます。

問題が起こったのは、下山中でした。軽い頭痛から始まり、軽いめまい+吐き気もありました。

最初は登山の疲れもあって、何が起こっているのかあまりわからなく、判断もできません。

途中で気づきます。これが高山病か!ということに。

無事にバスターミナルまで下山し、帰りのバスの中で寝ていましたが、それでも頭痛は     治りませんでした。

最終的には持参してた痛み止めを飲んで痛みは落ち着きました。

しかし、3日目には燕岳が控えています。燕岳の登山道は日本三大急登の一つになっていて、  登りが結構きついというので有名です。

そこに行くためにも、早く寝て燕岳に備えます。

3日目当日、燕岳に向けて出発。燕岳の登山口である、中房・燕岳登山口に着きました。天気は 雲一つない晴天、絶好の登山日和です。

ですが、また一つ問題が起きました。

それは昨日の疲れが残っている+頭痛はないけど体がだるくて重たいという、         乗鞍岳登山した後の負の副産物です。

この旅は友達と二人で行っていたので、その時にどうしようか判断に悩みます。

せっかく来たからこのまま行くか、それとも今回は辞めるか究極の判断です。

僕の中にはもちろんいきたい気持ちがあります。ただ、体はだるい。

それと同時にいろんなリスクが頭の中をよぎります。このまま行って、無事に下山できるか。  登ったはいいものの、帰ってこれなくて、ビバークてなっても装備も技術も経験もないし無理。

結局この旅では、燕岳はあきらめました。

登山口で次のリベンジとしてまた来ることを誓い、そのまま予定変更で上高地へ行きました。


 

僕のエピソードは以上ですが、このエピソードで伝えたいことを下記にまとめます。

行きたい気持ちを押さえて判断することの大切さ

長距離の登山は疲れなどもあいまって判断能力が落ちるといわれます。ですので、判断能力が  鈍くなって正常な判断ができなくなります。

よくあるのが転倒したり、滑落したりして、ケガしたけど、ぎりぎり歩けるからと       そのまま無理して下山。病院に行ったらかなりひどくて重症でした。というオチです。

そのためにも事前に自分の中でこういうときはこうするというものを決めておくと、      登山中にもし遭遇した場合でも上手に対処できるかもしれません。

僕は今回の北アルプスを経験して、登山での迷いを減らすために2つ決めました

①自分がケガしたら、誰かがケガしていたら、迷うことなく救助を要請する。            日本人の特徴でもありますが、よく”人に迷惑を掛けたらいけない”からと言って、何もかも   自分でなんとかしようとするところがあります。山でその考えは通用しません。歩けなければ  自力で下山するのは厳しいですし、死につながります。誰かにおんぶをしてもらって降りる   というのもあります。背負ってくれる人がプロの山岳救助隊ならいいでしょう。ですが、    素人が人を背負って降りるのは無理に近いですし、僕もできません。そんなとき、僕なら    迷い、ためらいなく119か110をします。助けを求めるのは迷惑ではありません。周りの助けが あるからこそ生きていけるのです。

②道に迷ったとき、天候やその場の状況で迷ったときは絶対に引き返す。もしくは行かない。          今回のエピソードはこれにあてはまりそうですが、登山中の道迷いや天候の変化はよくあります。また自分の状況は自分自身が一番知っています。登山中の”大丈夫だ!”ていう正常バイアスは  異常です。自分の体があるからこそできる登山です。山はずっとそこにあります。       逃げも隠れもしません。今回登頂できなくてもまた予定を立ててリベンジすればいいのです。

 


 

monngonia
mongonia

登山を始めたい、始めてみたけど、「必要な道具が分からない」「どこで登れるか分からない」「登り方が分からない」「1人では不安だから誰かに案内してほしい」このようにお悩みをお持ちの方は、是非、僕にご相談ください。

 

 

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました